富永雄輔さん著「東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?」を読みました。
富永さんは、吉祥寺の進学塾「VAMOS」の代表の方です。
VAMOSでは入塾テストを行わないにも関わらず、以下のような素晴らしい実績をあげているそうです。
- 中学受験の第1志望合格率が7割以上
- 大学受験では、国立、早慶、医歯薬系の合格率が8割以上
そんな著者が、何人もの東大合格者の親を見てわかったことをまとめたのがこの本です。
この本の要点を一文でまとめると、「子どもの成長は家庭環境に大きく左右される」ということです。
「東大生を育てる」という内容ですが、目標が違えど子育て中の人は覚えておきたいことがたくさん書かれているので、一度目を通してみることをおすすめします。
今回もマインドマップを使用して、読書ノートを取りました。
マインドマップを使った読書ノートに関しては、以下の記事をご覧ください。
ではさっそく、本の内容を引用しつつ、解説していきます。
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子どもに重要な3つの力を伸ばす
本の中では、子どもの様々な能力を伸ばすための習慣が書かれています。
その中でも、私が重要だと思った以下の3つの力を伸ばすためにできることを簡単にまとめます。
- 自信
- 自立心
- 継続力
それぞれ見ていきましょう。
自信
自信をつけるための習慣は、以下の2つです。
- 常に勝負を意識する
- 得意なことを伸ばす
常に勝負を意識する
どんな些細なことでも、常に勝ち負けにこだわる習慣を身につけさせましょう。
具体的には、家の中で勝負をするのが良いそうです。
兄弟がいる場合は兄弟同士で競い合わせたり、親子でオセロゲームをしたりなど。
今は順位を付けることを避ける風潮にあるので、多くの子どもは競争することの楽しさを知らないそうです。
そして、子どもには負ける経験も十分に積ませることも大事です。
子どもから負ける機会を奪ってしまえば、負けを怖がる子をつくり出すことになってしまうのです。
このように常に勝負を意識し、勝つ経験を積むことで、自信がついていくのです。
得意なことを伸ばす
筆者は、苦手なことの克服をするより、得意なことを伸ばそうと主張しています。
親の勝手なイメージで判断せず、何が好きで何が嫌いなのか、何が得意で何が苦手なのかを見極めることは、子どもを伸ばす上で不可欠なのだそうです。
親は、子どもの短所を無理に直そうとはせず、受け入れ、上手く付き合っていくような手助けを心掛けましょう。
この意見には私も賛成で、大人も同様に得意なことを伸ばすべきだと思っています。
自立心
自立心を育てるためには、年齢に応じて、自分ができることは自分でやらせれば良いと主張しています。
自立心を育てようと、規律を厳しくすれば厳しくするほど、逆に自立が阻害されることもあるそうです。
特にやらせた方が良いのは、食事の準備。
物事の準備ができるかどうかは、子どもの自立におおいに関わることなのです。
もう1つ面白いと思ったのが、「休日のプランを子どもに決めさせる」という方法です。
自分の選んだことに責任を負うことの練習になるのだそうです。
これは最近、我が家にも取り入れてみています。
そうはいっても、平日仕事をしている場合は、休日に親の都合に付き合わせなくてはいけない時も多いと思います。
そういう時は、なぜ行く必要があるのか、どうして行かなくてはならないのかをきちんと説明するようにしましょう。
継続力
継続力を身に付けさせるために小さい頃に積ませておきたいのは、「続けられた」という成功体験です。
たとえば、本の中には以下のような例が載っていました。
子どもが小学1年生の頃から、タイプの違う計算ドリルを5冊用意。
そして、そこから自分の好きなものを選んで毎日5分取り組む、というテーマを与えていた。
この時のポイントは、子どもが絶対に解けるレベルのものを選ぶことです。
そうすることで簡単に続けることができ、成功体験を得ることができます。
この例を見て、「たった5分で良いの?」と思うかもしれません。
著者によると、集中力を鍛えるためには、1時間の勉強を不定期でやるよりも、5分の勉強を毎日続けることに大きな意味があるのだそうです。
逆にまとまった時間を確保することにこだわるから「勉強する時間がない」という悩みが生まれるのです。
短い時間を有効活用するように心掛けましょう。
子どもを伸ばすための親の心構え
次に、子どもを伸ばすための親の心構えについて解説していきます。
- 褒め方、叱り方
- 余裕を持つ
- 環境作り
それぞれ見ていきましょう。
褒め方、叱り方
子どもを育てる上で難しいのが、褒め方と叱り方ですよね。
褒め方
結論、褒めることは大事です。
普段から褒め言葉をかけてもらっている子どもは、自己肯定感を自然と得ることができるのです。
ただし、褒め過ぎは禁物。
大事なのは、たとえ大いに褒める瞬間があったとしても、それはまだゴールではないのだと子どもに感じさせることです。
たとえば、70点から80点に点数があがった時に、以下のような声掛けをするのです。
よく頑張ったね。さあ、これで90点を目指す準備ができたじゃない!
叱り方
褒めることと同様に、叱ることも大切です。
子どもを伸ばす親は、叱る場面を親子のコミュニケーションの時間としてとらえているのです。
叱る時に大事なことは、子どもにきちんと「言い訳」をさせること。
説得されるのではなく納得してから進む子、あるいは納得できないまま進むのは気持ち悪いという感覚が持てる子に育てることが大事なのです。
逆にやってはいけないことは、子どもの能力不足を叱ること。
テストの点数が下がったからといって、「何で下がったの!?」と叱るのは、意味がありません。
覚えておきたいことは、「仕方ないことでは叱らず、努力しなかったら叱る」ということです。
余裕を持つ
次に意識したいのが、余裕を持って子どもと向き合うということです。
著者は、子どもが塾に行っている間に、自分は別の習い事にいそしむくらいの余裕を持ちましょうと主張しています。
子どもの人生に寄り添い過ぎず、子どもの人生と自分の人生を分けて考えることが大切です。
当たり前のことですが、子どもの人生と自分の人生は別物なのです。
具体的には、試験の結果が悪くても子どもと一緒に落ち込まないなどです。
逆に、模擬試験でものすごくいい成績をとった場合、あえて気持ちをクールダウンするような言葉を投げかけることも大事です。
常に余裕を持ち、子どもの出した結果に一喜一憂しないよう心掛けましょう。
環境作り
冒頭にも書いた通り、子どもの成長は家庭環境に大きく左右されます。
つまり、環境作りは重要なのです。
- 家庭の環境
- 身近な環境
それぞれ解説していきます。
家庭の環境
最近耳にするようになった、リビング学習はやはり効果的のようです。
理想的なのは、お父さんは読書、お母さんは家計簿というように、同じリビングのテーブルで、それぞれが別の作業に集中している状態だそう。
「集中している人の邪魔をしない」というマナーを学ばせるのに良い方法なのだそうです。
また、勉強する部屋に時計を置かないか、視界に入らない場所に移動させると良いそうです。
子どもは、時計を見ると終了時間までのカウントダウンを始めてしまい、気がそれてしまうからです。
他にも、いつも目にする冷蔵庫などに覚えたいものを貼っておくなど、家の中に仕掛けを作ることも効果的だそうです。
家中のあらゆる場所に、勉強につながるものをさり気なく置いてみましょう。
身近な環境
家庭以外の身近な環境も、やはり重要です。
たとえば、周りに東大に行く人が多い環境だと「東大に行く」という夢がリアリティを持ちますよね。
逆に、周りに1人もいなければ、どれだけ大変なことなのか想像もできません。
他にも、自分の限界を超える意欲を育てていくために、あえて厳しい環境に放り込むという方法も効果的だそうです。
本書の中では、以下のような例があげられていました。
- 気を抜くとすぐに下のクラスに下がってしまう厳しい塾に通う
- 怖い先生がいるスイミングスクールに通う
与えるべきピンチは、自分の実力よりちょっと上のレベルであるということを覚えておきましょう。
自分の限界を、少し超えればクリアできるくらいです。
あまりにも実力とかけ離れていると、逆にやる気がなくなってしまいますからね。
【まとめ】東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?
今回は、富永雄輔さん著「東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?」の中で重要だと感じた所についてまとめました。
色々と書いてきましたが、この本を読んで私が実践しようと思ったのは、以下のことです。
- 子どもに干渉しすぎない
- 子どもの夢を全力で応援する
本の内容とはちょっと違う気もしますが、こんな感じです。
子育ては正解がないから難しくもあり、楽しいですよね。
以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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